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流星ワゴン

流星ワゴン
重松清 著
(2002年 講談社)


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友人のオススメ本です。

重松清氏の作品を読むのは初めて。
ハートウォーミングな話を書く作家なのかなくらいに思っていたのだけれど、結構踏み込んだ描写もあったりしてイメージが変わりました!

リストラで会社をクビになり、家族との関係もボロボロで、「死んじゃってもいいかなぁ、もう」と思っていた“僕”の前に現れた一台のオデッセイ。
中に乗っていたのは五年前に交通事故で亡くなった橋本さん親子(の幽霊?)。
“僕”はオデッセイに乗りこみ、人生のたいせつな場所へと逆戻りする。
今まで見えなかったものが見え、気づかなかったことに気づくけれど、未来は決して変えられない―。

なんだかおもしろそうな話でしょう?

ほどよい軽快さや前向きな姿勢がベースにあって、いかにもこの本を薦めてくれた友人らしいセレクトだなぁと思いながら読みました。
これこそ人から本を薦めてもらう醍醐味かも^^

物語を一層おもしろくしているのが“チュウさん”の存在。
彼がいるといないとではぜんぜん違う!
ああ、巧いなぁと思います。
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十五少年漂流記

十五少年漂流記
Deux ans de vacances
ジュール・ヴェルヌ 著
波多野完治 訳
(1951年 新潮文庫)


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せっかくフランス語を習っているのだから、こういうのも読んでおきたいとずっと思っていて、このたび、ようやく読みました。
もちろん訳本で!(^_^;)

ご存知のとおり、無人島に漂着した十五人の少年たちをめぐる冒険小説です。
時代と国の違いから来る価値観のギャップから、読んでいてやや厳しいと感じる部分もあったけれど、ヴェルヌがこの小説を書いたのが1888年だというから、そう考えるとやっぱりすごいんだろうなぁ。

そんなこんなで、ときに停滞しつつ読み進んでいたワタクシですが、少年たちの無人島生活に大きな変化が起こる第二十一章あたりからはおもしろくなってきて、船が帆を広げてぐんぐんと進む勢いで読み進むことができました。

同じように途中で停滞してしまった方には、もう少しの辛抱ですよ、と言ってあげたいです。
かなり余計なお世話ですね、ハイ(^^;)

堀部安兵衛

堀部安兵衛
池波正太郎 著
(1973年 角川文庫)


中山安兵衛(のちの堀部安兵衛)の高田馬場の決闘の舞台は、現在の早稲田にあたります。
せっかく早稲田で働いているのだから、ここで働いている間に読んでみようと思っていたのが本書。

十四歳で父を亡くして浪人となった安兵衛が剣の修行を積み、義理の叔父 菅野六郎左衛門の助太刀をして高田馬場の決闘で名を上げるまでの前半は、かなりの創作が加えられている印象です。
続きが気になってつい深夜まで読み耽ってしまい、すっかり寝不足になりました(^^;)

後半では、安兵衛が播州赤穂藩 浅野家家臣となり、『忠臣蔵』としてあまりにも有名な元禄赤穂事件で四十七士のひとりとして吉良邸に押し入り、藩主 浅野内匠頭長矩の敵討ちをするまでが描かれます。
前半に比べると、作者の歴史解釈なども述べられて、客観的な視点が感じられます。

歴史小説って今まであまり読む機会がなかったけど、こうして読んでみると、なかなかおもしろいものですね。


早稲田の水稲荷神社にある《堀部安兵衛之碑》。

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こちらは、東京メトロ東西線 早稲田駅のすぐ近くにある小倉屋。
夏目漱石が『硝子戸の中』で書いているように、高田馬場の決闘の前に安兵衛がここに立ち寄り、升酒を飲んでいったと伝えられています。

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風の歌を聴け

風の歌を聴け
村上春樹 著
(1979年 講談社)


村上春樹氏のデビュー作。

初めて読んだ『ノルウェイの森』でちょっと懲りて村上春樹離れしてしまっていたのですが、「『ノルウェイの森』はイマイチだけどほかの作品はいい」というファンの声もしばしば聞こえてくるので、村上春樹再挑戦!

やっぱり私はこの人の小説に出てくる登場人物たちが好きになれないのだけれど、のちの『ノルウェイの森』に通ずる要素が数多く見られてなるほどと思い、それでも全体的に『ノルウェイの森』ほど重苦しさがないせいか、感覚的にいいなぁと感じる部分が結構ありました。
まぁ、その反面、インパクトでは弱いかなぁという感じも受けたわけですが。

それにしても、こういう独特な作家(いい意味でマニアック!)が世界中で本当にたくさんの人々に受け入れられているという事実は、おもしろくもあり、また頼もしくも感じます。
私個人の好みは別にして、なぜだか嬉しくなるのです。

次に彼の作品を読むとしたら、『海辺のカフカ』か『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』かなぁ…。

暗渠の宿

暗渠の宿
西村賢太 著
(2010年 新潮文庫)


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「けがれなき酒のへど」「暗渠の宿」の二作品を収録。

現代作家でこんな凄みのある作品を書く人がいるんだ!と、衝撃を受けた。
そういえば、今まで現代作家の“私小説”を読んだことってなかったから、ものめずらしさが衝撃に変わったのかなと一瞬考えたけど、いやいや、そんなジャンルだけの問題じゃないはず!!

すべて真実ではないとはいえ、作者が自身を曝け出し投影した主人公。
その同じ主人公をめぐる私小説で、今後どこまで読者を飽きさせずに読ませてくれるのか―。
願わくば一生飽きずにこの作家の作品を読んでいたいものだ。

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