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ブンとフン

ブンとフン
井上ひさし 著
(1974年 新潮文庫)


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実は学生の頃、井上ひさし氏の青春小説『青葉繁れる』を読んで、その女性の描き方などに憤慨にも近い嫌悪感を感じ、以来、この作家は自分には合わないのだと決めつけて一冊も読んでいなかったのですが、そろそろほかの作品を読んでみるくらいしてもいいのではないかと思い直して手に取ったのが本書。

売れない小説家のフン先生が書いた小説の主人公、四次元の大泥棒のブンが小説から飛び出したから、さぁ大変!
世界の常識が崩れ去り、大騒動が巻き起こるというナンセンス文学。
(「ナンセンス」という言葉そのものに時代を感じます。)

たとえば、ひとりの若い女がはだかで立っているというくだりでは、ページの両端にのりしろがある。
この本全体にとって大変重要な事実だから書くが、読者諸君のお母さん方に読まれて誤解されては困る。
したがって、賢明な読者諸君はページの端の「のりしろ」と印刷してある部分にのりをつけ、ページをはりつけてほしい、とユニークなことわりが添えられていたりといった具合で、文章だけで仕上げられた小説とはあきらかに異なる作風。

当時、こうした手法や文体がどの程度斬新だったのかはわかりませんが、とにかく既成観念にとらわれない、新しくておもしろいことをやってやろうという気概が感じられます。

突拍子のないユーモラスな物語、それでいて諷刺もきいている、しんみりするような人間の情もしっかりと描かれています。
筆がノッているのが、またいい。

作品発表から三年後に書かれた作者自身によるあとがきには、この作品に対する不満が述べられているけれど、やはりこの作品は、この時代のこのときにしか書けなかったものだったのだろうと思うし、そこが本書の最大の魅力 といってもいいくらいです。

改めて、ほかの井上ひさし作品を読んでみたくなりました。
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コメント

私も読みます!

また言ってる(^o^ゞ この本の表紙に覚えはあるけれど、多分読んでいないかも…。昔から、読もう読もうとしていて、なかなか実行に移せないまま年月は過ぎ、それでも縁のある本は絶対読む日がくるのだなと思えます。海と毒薬とか(まだこのネタ)。

>みずほちゃん
読もう読もうとしてなかなか実行に移せない気持ち、すごいわかる!
私もいつもそれだよ(^^;)
『海と毒薬』もすぐに読めるかわからないけど、絶対読みますね☆

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